寺、坂、我が家は一つ。最強のサポーター「清水寺門前会」(2014.0303)
「寺、坂、我が家、どれが欠けてもあかんのです。」
左上に清水寺。緩くカーブした参道にそって門前町が伸びています。
春夏秋の夜間拝観は延べ50日。連日、拝観の受け付けや警備に大忙し。
毎年実施している大規模な消防訓練。
消防署職員の方々とブルーの半被姿の清水寺自警団
お店が連なる清水坂。近年では季節・曜日を問わず賑わっています。
清水寺門前会の会員は現在34人。さまざまな事柄に素早い判断をするため会議の出席は店主でなければならないのだとか。その活動は大変忙しく、冒頭でご紹介した「青龍会」のほかにも、延べ年間50日に及ぶ春、夏、秋の夜間拝観では運営を一手に引き受け、拝観の案内や暗い境内で事故が起きないよう、たくさんのスタッフを動員して警備にあたってくれています。さらに自警団でもあることから消防訓練は欠かせません。門前に生まれた男子は長じるとまず「ホースをもって走れ」と教えられるのだそうです。
お商売では、門前会の紳士協定ともいうべき約束ごとがいくつかあります。そのひとつは「上りは参拝者、下りは観光客。」清水坂を上る方=これからお参りをされる方に商品を勧めたりお店に誘ってはいけないというもの。そのほか「他店とお客様を取り合わない。」「上げ底された土産物の販売などお客様に不正直をしない。」など。
田中会長は「参詣者の半数以上がリピーターの方であり、だからこそ一層、何度来ても気持ちよく過ごしていただけるよう心掛けています。それが将来に繋がるのですから。」とおっしゃっています。
そして「寺、坂、我が家は3つでひとつ。どれが欠けてもあかんのです。」とのありがたい言葉も。当山も中興の祖大西良慶和上の教えの通り、僧侶、職員、門前町、関わる人のすべてがあって「清水寺」なのだと考えています。
現在、連日のように多くの方をお迎えできるのは「参拝に来られる方に喜んでもらいたい。」という想いのもとで皆がひとつになれたからこそ。にぎわう境内を見るたびに、感謝と支え合うことの大切さを実感しています。
清水寺門前会について詳しくは公式WEBサイトをご覧ください。
https://www.monzenkai.com/
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