霊水パワーは信心次第 清水寺の原点「音羽の瀧」(2011.0829)
信者さんに聞く、お参りのアドバイスでご利益アップ
「音羽の瀧」にお祀りするご本尊の不動明王。霊水をいただく際にはぜひお参りを。
飲用するため、ひしゃくは紫外線滅菌できるように装置を取り付けています。
毎月28日はお不動さまの縁日で、朝6時からろうそくをお供えする燈明(とうみょう)と、朝7時から山内僧侶の読経を行っています。また、「音羽の瀧」横にある茶店「瀧の屋」では、お茶の接待もあります。是非ともご参拝いただき、お不動さまとのご縁を結んでいただけければ幸いです。
「音羽の瀧」のお参りに、特に作法はありませんが、皆さまのご利益パワーがアップするように、信者さんからうかがったアドバイスも含めてご紹介しましょう。
まずは瀧の奥にお祀りしているご本尊の不動明王にお参りを。ご利益をいただくのですから、ご挨拶をしなくては、霊水もただのお水になってしまいます。静かにお手を合わせてご自身と向き合い、そして三条欲張らず、どれか一条を汲んでいただければ幸いです。汲む場所はどこでもかまいません。
また、神社では参拝前に手と口をすすぎますが、「音羽の瀧」の霊水は吐き出さず、飲むのが正解。再び不動明王を向かれ、願を念じながらいただくのがベストです。
そして、ひしゃくをお返しする際は、後の人のために洗い流すのがマナー。仏教的な意味合いも込めて3回、丁寧に洗い流し、気持ちよく次の方へとつなぐ想いも大切です。
行列ができるほど混雑することも多いので、ゆっくりとお参りしていただくには、早朝をおすすめします。
創建以前より、一度として枯れたことがなく、今日もなお、変わりなく湧き出る「音羽の瀧」。
霊水のもつ不思議な力は、決して科学では証明できないものですが、無数の信仰によって支えられてきた歴史は確かに存在します。
坂上田村麻呂公、嵯峨天皇、清少納言や紫式部、源頼朝に義経、弁慶、豊臣秀吉をはじめとする戦国諸大名や、最後の再建を発願、寄進いただいた徳川家光公、明治にかけては西郷隆盛、勤皇の志士達...。清水寺へ参詣された、たくさんの歴史上の人物も、この霊水を汲まれたことでしょう。
そして何より、数えることの出来ないほど多くの、庶民といわれる普通の人々が、ひたすらに幸せを願い、その力を信じてこられました。
皆さまもどうか、くもりのないお心で、お手を合わせてみてください。その清浄な信心こそが、清水寺の大切な宝であり、ご利益を高める一番の秘訣なのです。
- vol.15
- 地主神社の神職に聞く 音羽山に残る古代信仰の謎(2017.0413) (4)
- vol.14
- 観音さまの時間で臨み、人の時間で今日を成す ―東山の環境危機と未来―(2015.1218) (3)
- vol.13
- 観音様とともに生きた109年。大西良慶和上(2015.0213) (3)
- vol.12
- 寺、坂、我が家は一つ。最強のサポーター「清水寺門前会」(2014.0303) (3)
- vol.11
- 平成によみがえった都の霊場巡り「洛陽三十三所観音巡礼」(2013.0425) (3)
- vol.10
- 「老と死」に向き合い今日を考える―老人ホーム同和園探訪(2012.1115) (4)
- vol.9
- ご存知でしたか? 車椅子で参詣できる「バリアフリー清水寺」(2012.0717) (4)
- vol.8
- 鎮魂と復興の祈りが刻まれた大日如来坐像、清水寺へ(2012.0410) (4)
- vol.7
- 意味を知ればより深まる 清水寺「大涅槃図」拝観のツボ(2012.0120) (3)
- vol.6
- 「今年の漢字」2011年は「絆」(2011.1213) (2)
- vol.5
- 名勝「月の庭」をもっと楽しむ 成就院大特集(2011.1128) (3)
- vol.4
- 霊水パワーは信心次第 清水寺の原点「音羽の瀧」(2011.0829) (4)
- vol.3
- 清水寺の一大修復プロジェクト「平成の大改修」(2011.0701) (3)
- vol.2
- 清水寺の幕末秘話・勤王の志士を支えた漢(おとこ)たち(2011.0428) (4)
- vol.1
- 清水の舞台から飛び降りた!?(2011.0426) (3)