鎮魂と復興の祈りが刻まれた大日如来坐像、清水寺へ(2012.0410)
先生も学生も一心不乱 異例尽くしの制作現場
熱気あふれる教室の様子。
ノミ打ち。
何度も重ねられた漆塗りの作業。
金箔押し。
先生と学生に制作期間のお話を伺うと、今回の共同制作は、困難さも熱意も例年にない特別なものだったそうです。
素材は海水を吸った傷だらけの松の木。彫刻用に適しない木材である上、研究機関の検査による安全確認のため、実際の制作は9月を待たねばなりませんでした。乾燥が進むにつれて生じる寄木のひずみを修正し、彫り進めるうちにあちこちから表れる木の節目をくりぬいて木材を詰め、作業は何度もやり直しを余儀なくされたとか。
さらに細かな彫刻や漆の塗りこみ、金の箔押しなど、全ての工程を2012年2月までの短い期間で仕上げるため、実習の先生のもとで、学生たちは皆、夜遅くまで作業を続けました。
学生課の先生は当時の様子を振り返り、声をかけづらいほどの集中ぶりで、毎日のように起きる問題をものともせずに乗り越えていく姿が本当に勇ましかったとおっしゃっています。
また、通常、共同作業に参加できない1年生も「せめて掃除だけでも」と先輩たちの手伝いを自主的に始め、次第に作業にも参加。
まさに学校全体が一丸となっての共同制作に発展していったのです。
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